WEBデザインスクールの学費は、決して安い金額ではありません。そのため、スクールでスキルアップを目指す際に、費用がネックになることがよくあります。そこで、ここでは資格取得時の学費を軽減できる教育訓練給付制度について、概要・給付額の目安・給付の対象者を詳しく解説します。制度を理解し、かしこくスキルアップを目指しましょう。
教育訓練給付制度とは
教育訓練給付制度とは、厚生労働省による、雇用の安定と再就職の促進を目指す制度です。働く人のスキルアップをサポートするための給付を行う制度となっており、医療・介護からITまで、幅広い職種の専門資格に対応しています。
指定の教育訓練の修了後、受講した際に発生した費用の一部を国が支給する仕組みです。対象となる教育訓練は「専門実践教育訓練」にくわえて「特定一般教育訓練」「一般教育訓練」の3種類に分かれています。
教育訓練給付制度の給付金はいくらもらえる?
教育訓練給付制度で受け取れる給付金は、すべての教育訓練で一律ではありません。ここでは、教育訓練の種類別に給付額の目安を説明します。
専門実践教育訓練の給付額
専門実践教育訓練には、働く人に対して中長期的なキャリア形成のサポートをする目的があります。看護師・介護士・保育士などの国家資格、専門職大学院などの課程、職業実践専門学校の課程などが対象です。IT系であれば、エンジニア向けであるITSSの資格で、レベル3以上が対象となっています。
専門実践教育訓練の場合、支給のタイミングは訓練受講中もしくは受講修了後のいずれかです。受講中の場合、受講費用の50%が6か月ごとに支給されることとなっています。上限額は年間40万円です。
ただし、資格などを取得したうえで、訓練修了後1年以内に会社に就職して雇用保険に加入すると、支給額は費用の70%に変わります。すでに受講中に支給を受けていた場合も、差額の20%分は後から受給が可能です。
この場合の上限額は年間56万円となります。年間の受講費用が40万円かかったとすると、50%の受給であれば20、70%の受給であれば28万円の受給が可能です。また、年間の費用が90万円であれば、50%・70%ともにそれぞれ上限額の40万円・90万円が支給されます。
特定一般教育訓練の給付額
特定一般教育訓練は、働く人の速やかな再就職と早期のキャリア構成を目指すための教育訓練です。IT系ではITSSレベル2以上の資格に対応した講座が対象となります。特定一般教育訓練を受講した場合、訓練修了後に支給があります。
支給額は、受講費用の40%の金額と上限の20万円のいずれか低い方の金額です。受講費用が40万円であれば支給額は16万円、費用が100万円であれば本来の支給額は40%の40となりますが、実際の支給額は上限の20万円となります。
一般教育訓練の給付額
一般教育訓練とは、一般的な雇用の安定・就職の促進をサポートするための教育訓練です。一般的な大学院などの課程から英検・簿記までと、汎用性の高い資格が対象となります。WEBデザインスクールのカリキュラムでは、WEBクリエイターや画像・映像処理に関する資格も対象です。
一般教育訓練を受講した場合、受講費用の20%の金額と上限の10万円のいずれか低い方の額を受講修了後に受給できます。受講費用が40万円であれば8万円、費用が100万円であれば、20%である20ではなく上限の10万円が支給されることになります。
教育訓練給付制度の対象者になるには
対象の講義を受けただけでは給付金が出るとは限りません。制度の対象者になるには雇用保険の被保険者となった経験、つまり会社に勤めた経験が必要です。雇用保険に加入したことがあればよいため、現在雇用保険の被保険者である在職者だけでなく、過去に雇用保険の被保険者であった退職者も受給の対象となります。
退職者の場合、退職日の翌日から1年以内に受講を開始することが必要です。専門実践教育訓練と一般教育・特定一般教育訓練では、雇用保険の加入期間についての条件が異なります。
専門実践教育訓練の受給条件
専門実践教育訓練の場合、受講開始日の時点で、10年以上雇用保険に加入した実績が必要です。
一般教育・特定一般教育訓練の受給条件
一般教育訓練と特定一般教育訓練の場合は、受講開始日の時点で、3年以上雇用保険に加入した実績が必要となります。
まとめ
教育訓練給付制度は、スキルアップを目指す人の学費を一部補填してくれる制度です。対象となる資格・講義によって支給額に差はあるものの、費用面でのサポートが受けられます。WEBデザインスクールの講義の一部も給付制度の対象となっているため、スクールで資格取得を目指したい場合は、取得したい資格で給付が受けられるかを確認し、給付制度の活用を検討するのがおすすめです。
ただし、給付制度を利用するには、講義の受講開始時点で一定期間会社に勤めた経験が必要となります。会社に勤めて日が浅い場合や、仕事の経験が長くとも、自営業などで雇用保険の加入期間がない場合は、支給の対象にはなりません。給付制度を利用する際には、雇用保険の加入期間に充分注意し、自分が給付を受けられることを確認してから受講を開始しましょう。