「Webデザイナーの仕事に興味があるけど、ブラック企業が多いという噂があって不安」と悩んでいませんか。また、クライアントの提示する納期に追われて残業が続くようなイメージを持つ人もいるかもしれません。そこで今回は、Webデザイナーがブラック企業・ホワイト企業を見極める方法を詳しく解説します。
Web業界すべてがブラックではない
Web業界に対するブラック企業というイメージが広がっていますが、すべての企業がそうであるわけではありません。
確かに、業界内には徹夜作業や長時間労働を強いる企業も存在するかもしれません。しかし、事前にしっかりとリサーチを行うことで、自分に合った会社を見つけることが可能です。
とくにWeb制作会社は、クライアントの要求に応じて迅速な納品を求められることが多いため、過酷な労働環境のイメージが強いです。しかし、クライアントワークがあるからといって必ずしも劣悪な労働環境になるわけではありません。
実際には、適正な労働環境を整えている企業も数多く存在しています。自分の働き方やライフスタイルに合った企業を見つけるためには、譲れないポイントを明確にしておくことが大切です。
たとえば、残業の有無やフレックスタイム制度、福利厚生の充実度など、自分にとっての重要な条件を考慮して企業を探しましょう。良好な労働環境を持つ企業であれば、Web業界でも充実した仕事ができる可能性が高いです。
ブラック企業・ホワイト企業を見極めるポイント
次に、Webデザイナーがブラック企業とホワイト企業を見極めるポイントについて説明します。
自分が「ブラック」と感じる環境を確認する
まず、ブラック企業の基準は人それぞれ異なるため、まず自分自身がブラックと感じる環境を確認することが重要です。
一般的には、厚生労働省が挙げるブラック企業の特徴として以下の3つが指摘されています。労働者に対して極端な長時間労働や過剰なノルマを課す、賃金不払残業やパワーハラスメントが蔓延している、そのような労働環境の中で労働者に過度な選別を行う、といった状況です。
しかし、これらはあくまで一般的な特徴であり、ブラック企業の具体的な基準が定められているわけではありません。またパワハラや残業時間が長いといっても、個人によってその捉え方はさまざまです。
残業時間が長くても、残業代が適正に支払われる企業をブラックだと感じない人もいれば、労働時間の長さ自体をブラックだと感じる人もいます。
さらには、経営層が信頼できない会社が社会的に不誠実なことをしている、成長環境がないといった要素も、個々がブラックと感じる理由となり得ます。
そのため、どの部分が自分にとって耐えられるか、どこが耐えられないラインなのかを明確にしておくことが、企業選びをする上での大切なステップです。たとえば、残業時間の許容範囲やノルマの内容などを事前に考えて言語化しておくと、適切な企業を見つけやすくなります。
経営陣の労働に対する考え方も重要
また、企業の経営陣の労働に対する考え方も見極めのポイントです。
会社の方針は経営層の価値観に大きく影響されるため、面接の際には代表者や役員クラスの人物に直接ヒアリングすることが望ましいです。長時間労働を美徳とする経営者もいれば、ワークライフバランスを重視する経営者もいます。
社員を単なる歯車のように扱う企業と、社員を重要なパートナーと見なす企業では、働きやすさに大きな違いが生じます。経営陣が誠実で常識的な対応をしているかも確認することが重要です。
Webデザイナーならではのチェックポイント
Webデザイナーが働く環境については、制作会社か事業会社かで選択肢が異なります。
事業会社に勤めるのも選択肢の1つ
まず、制作会社にこだわらない場合、事業会社に勤めることがひとつの選択肢です。
事業会社は自社でサービスや商品を運営しているため、無理な納期やノルマに追われることが少ないです。また、安定した収益を上げている場合、無理な案件を取る必要もありません。その結果、制作会社に見られるヒリついた雰囲気がなく、社員が快適に働ける環境が整っていることが多いです。
また、事業会社は孫請けのような状況がないため、クライアントからの無理な要求に振り回されるリスクも低いです。したがって、制作会社へのこだわりがない場合、インハウスWebデザイナーとして事業会社に勤めることは一考に値します。
制作会社に勤める場合は案件の商流をチェック
一方で、制作会社に勤める場合は、案件の商流を確認することが重要です。
とくに、二次請けや三次請けの案件が多い会社は注意が必要です。中間マージンが取られてしまうため、利益率が低くなり、その結果として従業員の給与が低くなる可能性があります。
さらに、長時間労働を強いられることがありながら、残業代が支払われないといった問題も発生しやすくなります。そのため、制作会社で働く場合はクライアントとの商流を確認し、できるだけ直請けの案件が多い会社を選ぶとよいでしょう。
まとめ
本記事では、Webデザイン業界におけるブラック企業とホワイト企業の見分け方を解説しました。Web業界全体がブラックというわけではなく、しっかりとリサーチすることで、良好な労働環境の企業を見つけることが可能です。ブラック企業を避けるためには、自分にとって重要な労働条件を明確にし、経営陣の労働に対する考え方を面接で確認することが大切です。また、制作会社に勤める際には商流や中間マージンが関わる案件をチェックし、二次請けや三次請けが多い企業には注意しましょう。一方事業会社では無理な納期に追われることが少ないので、インハウスWebデザイナーとして働く選択肢もあります。
