WEBデザイナーは個人にスキルがつく仕事なので、将来独立を目指したり、転職でキャリアアップしたりできる魅力があります。ただ「WEBデザイナーは辞めた方がよい」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、WEBデザイナーがなぜやめた方がよいと考えられているのか、さらに難易度や将来性、メリットを解説します。
CONTENTS
WEBデザイナーはやめとけといわれる理由
WEBデザイナーは将来性のある職業に感じられる一方で、辞めた方がよいと考える方がいるのも事実です。その理由の一つとして、WEBデザイナーが多すぎるというのが理由として挙げられます。
WEBデザイナーは特別なスキルや資格がなくてもなれるため、いわば名乗ればだれでもなれる職業といえます。参入障壁が低く、ライバルがたくさんいるため仕事を獲得するのに苦労する可能性があるでしょう。
また、ライバルが多くなると、薄利多売で価格競争が起きます。価格競争によって仕事の単価が下がれば、どれだけいい仕事をしても給料が上がりにくくなります。
実際にWEBデザイナーの平均年収は令和3年時点で478.6万円となっており、仕事内容に対して給与相場が高くないといえるでしょう。さらに、WEBデザイナーは残業が多いことも懸念されるポイントの一つです。
クライアントの要望に応えなければならない状況があるため、修正や要望が多すぎて限界まで作業している方も少なくありません。業界全体で残業が多くなっており、ワークライフバランスを重視したい方には合わないケースもあるでしょう。
たとえフリーランスとして働いていたとしても、クライアントの要望に振り回されて疲弊しやすい傾向にあります。そのほか、キャリアパスの選択肢が少なかったり、最新のデザイン動向を常に追わなければならなかったりする大変さも理由といえます。
WEBデザイナーになるのは大変?難易度は高い!?
WEBをデザインすることに興味があり、それを仕事にできたら幸せだと考える方もいるかもしれません。しかし、WEBデザイナーになるための方法が分からずに、難易度が高いのではないかと思い、諦めている方もいるでしょう。
こちらでは、WEBデザイナーになるための難易度について紹介します。
WEBデザイナーになるだけならばとても簡単
デザイナーにはいろいろな種類がありますが、ほとんどのものはなるための資格は存在していません。それと同じようにWEBデザイナーにも資格は必要ないので、なるだけならば簡単だといえるでしょう。
なぜならば、『今日からWEB関連のデザイナーになる』と決めて、インターネットで仕事を募集すれば、その時点でフリーランスのWEBデザイナーだといえるからです。すでにたくさんのWEBを作成していて、それらが素晴らしい仕上がりならば、いろいろな仕事が舞い込んでくる可能性もあります。
ただし、まったくの素人が自ら名乗ったとしても、仕事をもらえる可能性は限りなく低いので職業として成り立たせるのは大変だといえます。フリーランスとして働くのが駄目ならば、どこかの会社に所属して、実践で勉強をしながらWEBデザイナーになりたいと考える方もいるでしょう。
しかし、現在では即戦力を求めている会社が多いため、勉強が必要な方が雇ってもらうのは難易度が高いかもしれません。そのため、もしも知識や技術がまったくない状態で目指すのなら、それらを勉強できるWEBデザインスクールを活用したほうがよいでしょう。
WEBデザインスクールならば、何も分からない方に向けたレッスンをしてくれるので、卒業する頃には立派なWEBデザイナーになれます。
WEBデザインスクールを活用する方法
WEBデザインスクールを利用したいのなら、まずはどのくらい通いたいのか決めるようにしましょう。半年程度で終わるところもあれば、2年間通い続けなければいけないところもあります。
ただし、短ければ短いほどよいと考えるかもしれませんが、教えてもらえる内容が異なるので注意しなければいけません。中にはある程度の知識があることを前提にしたカリキュラムが提供されているところもあるため、概要を調べたうえで確実にWEBデザイナーになれそうなところを選びましょう。
すでに知識があるのなら、CSSやHTMLなど的を絞ったカリキュラムを提供してくれるところで学びたいことだけを学ぶのもよいでしょう。そして、WEBデザインは実店舗だけで学べるのではなく、インターネットでも学べる環境が揃っています。
いわゆるオンラインスクールというものがあるので、実店舗を訪れるのが難しい環境にあるなら利用を考えましょう。動画を用意してくれているオンラインスクールならば、レッスンを受ける時間が決まっていないため、仕事のあとの深夜に勉強をすることだって可能です。
ちなみに、実店舗でもオンラインスクールでも、パソコンの基本的な操作は分かっていることを前提にしてレッスンがおこなわれています。そのため、マウスやキーボードの使い方が分からないのなら、習い始めるまえに習得をしておくことをおすすめします。
文字を打つのも仕事となるため、いわゆるタッチタイプというキーボードを見ずに入力できる方法もマスターしておきましょう。タッチタイプを覚えるためのソフトウェアが安い価格で販売されているので、独学でのマスターが難しいなら購入したほうがよいです。
WEBデザイナーになるための難易度を下げる方法
WEBデザインスクールで一生懸命勉強して、カリキュラムを完璧に修了したとしても、働き先がなければ仕事として成立はしません。もしも、フリーランスではなく会社に在籍するWEBデザイナーになりたいのなら、就職サポートがあるところを利用しましょう。
就職サポートが充実しているWEBデザインスクールがあるので、そちらなら就活がうまくいく可能性がとても高くなります。したがって、WEBデザイナーになれる可能性も上がるため、用意されているところを見つけだして是非とも活用しましょう。
就職率を公表しているところなら、卒業生のうちどのくらいの人数が、『WEBのデザインを仕事にする』という夢を叶えられたのかハッキリと分かります。WEBデザイナーには資格もいらず、独学でもなることが可能なので、なるだけならば難易度は大変だとはいえないでしょう。
しかし、仕事として成立させたいのなら、独学では大変な苦労が必要になるといっても過言ではありません。現在では、WEBデザインスクールが開設されているので、そちらに通って技術や知識を学ぶことをおすすめします。
各会社にコネを持っている就職サポートが用意されているのなら、働き先を探すのも容易になるため、卒業後は立派なWEBデザイナーになることができるでしょう。
WEBデザイナーになるメリット
WEBデザイナーは辞めるべきだという理由をみると、本当に辞めるべきだと感じる方もいるでしょう。ただ、WEBデザイナーはメリットも多くあります。
たとえば、WEBデザイナーはスキルが身につく仕事のため、経験や実績を積むほど有利になります。スキルが評価されれば、独立したり、より待遇のよい企業に転職したりして将来性も期待できます。
さらに、スキルや実績を磨けば、その分仕事の単価アップが期待できます。薄利多売の仕事は引き受けず、自分の求める報酬に合う仕事が選べるようになれば、年収アップにもつながるでしょう。
また、WEBデザイナーとしての能力だけでなく、自分をクライアントに売り込む営業能力があれば独立開業ができたり、SNSで情報発信をしてより効率的に稼いだりすることもできます。決して簡単なことではないですが、努力次第で自分らしく活躍できる仕事だといえるでしょう。
WEBデザイナーの将来性
WEBデザイナーを仕事にするにあたって、将来性も大切なポイントになるでしょう。転職エージェントとして有名なdodaが実施した調査では、2022年下半期のWebデザイナーを含むクリエイティブ系の求人の需要が増加すると予想されています。
とくにUX/UIデザイナーをはじめ、Webデザイナー、Webディレクターといった求人が増加するとされています。AIでもデザインを作れる時代が来ると予測されているのを耳にすることがあるかもしれませんが、クライアントのニーズをくみ取り、ターゲットの心をつかむようなデザインは人の手でしか作れないでしょう。
つまり、業界全体でみるとWEBデザイナーは将来性がありますが、需要に見合った人材になれるようスキルや能力を磨くことが大切だといえます。
WEBデザイナーに本気でなりたいのなら
本気でWEBデザイナーを仕事にして生きていくなら、いくつか注意点があります。一口にWEBデザイナーといっても、さまざまな働き方があるため、格安のWeb制作会社に入らないことをおすすめします。
会社側が薄利多売をして多くの案件を引き受ければ、それだけ従業員に負荷がかかります。対応する案件数や労働時間に対して充分な報酬をもらえない可能性があるので、格安をアピールしている制作会社に入社するのは避けるようにしましょう。
また、WEBデザイナーのほとんどが独身の会社もおすすめしません。プライベートの時間を作れないほど仕事していることが予想されるのに加え、自分自身が結婚したり出産したりするときに仕事しにくい環境になる可能性があります。
そのほか、Web制作会社だけでなく、自社事業がある企業を検討することが大切です。自社事業があればデザインにこだわったうえで利益を出しやすく、自分のスキルを伸ばしやすい環境で働けます。
まとめ
「WEBデザイナーを仕事にするのは辞めておくべきだ」という声を聞いたことがある方もいるでしょう。業界全体をみると薄利多売で残業ばかりしている人が多かったり、年収が低かったりするのが理由として挙げられます。
ただ、自分自身のスキルを磨けるので、より条件のよい転職先を見つけやすかったり、独立開業を目指せたりするメリットがあります。本気でWEBデザイナー目指すなら、双方の声を踏まえてニーズのある人材になれるよう努力することが大切です。