WEBデザイナーは、サイトの構成からコーティングまで幅広い業務を担う業種です。そのため、それらの知識・技能を示すための資格を取得することが推奨されます。今回は、WEBデザイナーを目指すうえで持っておきたい資格を、取得難易度別に紹介します。本記事が、取得する資格選びで悩んでいる人の参考になれば幸いです。
WEBデザイン初心者向けの資格
Webデザイナー初心者や転職を目指す方には、まず難易度の低い資格から始めるのがおすすめです。基礎が身についていない状態で高難易度の資格に挑戦すると、効率が悪く学習が進みにくいためです。以下に、初心者が挑戦しやすい資格をいくつか紹介します。
ウェブデザイン技能検定
ウェブデザイン技能検定は、NPO法人インターネットスキル認定普及協会が実施する国家検定です。この検定は、1級から3級まであります。特に、3級は実務経験がなくても受験可能で、転職を目指す方に適しています。
試験内容は学科と実技に分かれ、Webデザインに必要な知識やHTML・CSSの編集スキルが求められるのが特徴です。企業からの認知度も高く、取得後は「ウェブデザイン技能士」と名乗ることができます。
Webクリエイター能力認定試験
Webクリエイター能力認定試験は、サーティファイが実施する試験です。Webサイト制作に関するデザイン、およびコーディング能力を測ります。スタンダードとエキスパートに分かれており、エキスパートでは知識問題も含まれます。実際の業務に近い問題が出題されるため、習得したスキルを即実務に活かせる点が特徴です。
ITパスポート
ITパスポートは、情報処理技術者試験の一つです。Webデザインに特化していないものの、IT全般の基礎知識が得られるため、WebデザイナーやIT業界全般で働く人にとって有用です。
WEBデザイン中級者向けの資格
Webデザイナーとして実践的なスキルを身につけるためには、現場で即戦力となる技術力が求められます。資格取得を通じてスキルアップを図り、社内での評価を高めることができるため、基礎的な資格を取得した後、より高度な資格に挑戦することが重要です。
以下に、スキルアップを目指す人におすすめの実践的な資格を紹介します。
HTML5プロフェッショナル認定資格
HTML5プロフェッショナル認定資格は、LPI-Japanが主催する試験です。HTML5、CSS3、JavaScriptに関する知識と技術が問われます。試験はレベル1とレベル2があり、いずれもCBT方式で、会場またはオンラインでの受験が可能です。
実技試験や面接はなく、選択問題とキーボード入力による問題が出題されます。レベル1は主にHTMLやCSSに関する内容であり、レベル2ではJavaScriptに関する問題が加わります。
資格には「再認定ポリシー」があり、レベル1合格者は5年以内にレベル1またはレベル2を再度受験しなければいけません。また、レベル2合格者も5年以内に再度レベル2の試験を受ける必要があります。この資格は、最新のWeb技術を身につけるのに適しています。
Webデザイナー検定
Webデザイナー検定は、CG-ARTS(公益財団法人 画像情報教育振興協会)が実施する資格です。Webサイトのコンセプト作成、制作、テスト、評価、運用に至るまで幅広い知識を求められます。
試験は、ベーシックとエキスパートの2種類があります。ベーシックは基礎的な知識、エキスパートは応用的なスキルを測る内容です。いずれもマークシート形式で出題され、ベーシックに合格していなくてもエキスパートに挑戦することができます。
この資格は、Webサイト制作の全プロセスを理解し、実践的なスキルを証明するのに役立ちます。
マルチメディア検定
こちらもCG-ARTSが実施しており、デジタルコンテンツや情報技術に関する知識が求められます。試験は、インターネットやマルチメディアのコミュニケーション技術に関する基礎的理解を測るベーシック試験と、ネットワーク技術やプレゼンテーション技術の高度な理解が求められるエキスパート試験の2種類があります。
いずれもマークシート形式で実施され、幅広いIT知識を証明する資格です。
WEBデザイン上級者向けの資格
より高いレベルの資格を取得することで、他のWebデザイナーと差別化し、自分の市場価値を高めることができます。難易度の高い資格は、即戦力としてのスキルを証明し、キャリアの向上に役立ちます。
その中でも、アドビ認定プロフェッショナルが特におすすめです。アドビ認定プロフェッショナルは、Adobe製品に関するスキルを証明する国際認定資格です。試験はAdobeの公認で、デザインや動画編集などのスキルを客観的に示すことができます。
特にWebデザイナーにとっては、Adobe製品の使用頻度が高いため重要な資格です。公式にはエントリーレベルとされていますが、ビジネスレベルでの操作が求められるため、難易度は高めです。この資格を取得することで、転職や就職の際に大きな強みとなり、スキルの証明として役立ちます。
まとめ
この記事では、Webデザイナーとしてのスキルを証明するために役立つ資格を、取得難易度別に紹介しました。初心者向けの「ウェブデザイン技能検定」や「Webクリエイター能力認定試験」から、より高度なスキルが求められる「HTML5プロフェッショナル認定資格」や「Webデザイナー検定」、そして上級者向けの「アドビ認定プロフェッショナル」まで、キャリアアップを目指す方に適した資格が揃っています。資格取得で市場価値を高め、即戦力として活躍しましょう。