Webデザインは需要の高い副業業種のひとつです。しかし、専門性の高さや業務の煩雑さから「やめておけ」といわれてしまうことも少なくありません。そこで今回は、Webデザイン副業の現実や始めるために必要なスキル、注意点をまとめて解説します。
Webデザイン副業の現実
最近、IT業界全体で人材不足が続いており、副業やフリーランス向けの案件が増加しています。
『IT人材需給に関する調査報告書』によれば、IT需要が伸び続けると、2030年には最大約79万人の人材不足が見込まれています。この問題に対処するために、生産性の向上、離職率の低下、人材供給の強化が求められています。
とくに、人材供給の観点では、プログラミング教育の普及や非IT人材のスキル習得が重要です。これにより、さまざまな産業でIT関連スキルを活かす機会が増え、Web関連のスキルを持つ人材の需要が高まると考えられています。
2018年の「働き方改革実行計画」により、副業市場も拡大しており、Webデザインスキルを身につける人が増えることが期待されています。副業としてWebデザインを行うためには、実績とスキルが必須です。
クライアントは、デザイナーの過去の作品を通じて能力を判断するため、ポートフォリオの作成が重要です。求人のなかには「ポートフォリオの提出が必須」とされるものも多く、未経験者の場合は個人プロジェクトやWebデザインスクールでの作品を提示することが推奨されます。
友人の店舗用のチラシやウェディング雑貨のデザイン、名刺の制作など、さまざまな実績を積むことで、スキルを証明できる機会が広がります。
Webデザインの副業をするうえで必要なスキル
Webデザインの副業を行うためには、さまざまなスキルを身につける必要があります。
主なスキルとして、ホームページの制作・更新、各種コーディング、CMSのデザイン変更や機能追加、バナー・ロゴデザイン制作、そしてWebマーケティングスキルが挙げられます。
ホームページの制作・更新
ホームページの制作・更新は、Webデザインにおける基本的な業務です。
新規ホームページを立ち上げるには、HTML、CSS、JavaScriptなどのプログラミング言語や、Illustrator、Photoshopといったデザインツールの知識が不可欠です。初めての方には難易度が高いものの、更新作業は比較的簡単に行えます。
各種コーティング
デザインをWeb上に反映させるためには、HTMLやCSS、JavaScriptを用いたコーディングが必須です。
コーディングスキルがあれば、デザインのクオリティを向上させられるうえ、プログラマやエンジニアとのコミュニケーションもスムーズになります。
CMSのデザイン変更・機能追加
CMS(コンテンツマネジメントシステム)のデザイン変更や機能追加も重要なスキルです。
WordPressなどのCMSを使うことで、プログラミングの専門知識がなくてもサイトを作成・更新できます。クライアントの要望に応じたデザイン変更や機能追加には、HTML、CSS、JavaScript、PHPなどの知識が求められます。
バナー・ロゴデザイン
また、バナーやロゴデザインの制作も副業として人気があります。
AdobeのPhotoshopやIllustratorを使って、魅力的なデザインを作成するスキルが必要です。配色やレイアウトに工夫を凝らし、ユーザーの興味を引くデザインを目指すことが大切です。
Webマーケティングスキル
最後に、Webマーケティングスキルが求められます。
集客を促進し、成果を上げるためには、SEO対策やレスポンシブデザイン、ユーザビリティの向上が重要です。おしゃれなデザインだけではなく、実際に集客できるサイトを作成するために、マーケティングの知識も必要不可欠です。
Webデザイナーとしての副業を始める際の注意点
Webデザイナーとして副業を始める際には、準備や心構えが重要です。
とくに、以下の注意点を意識することでスムーズに活動を進められます。
本業の副業禁止規定の確認
まず、本業の副業禁止規定を確認することが不可欠です。
企業によっては副業が禁止されている場合もあるので、職務規定をチェックし、副業が許可されているかどうかを確認しましょう。副業解禁の企業が増えていますが、規定が明記されていない場合や禁止されている場合は、安易に副業を始めることは避けるべきです。
スケジュール調整・体調管理
次に、スケジュール調整や体調管理を徹底することも大切です。
副業が許可されている場合でも、両方の業務が円滑に進むよう、適切なスケジュール管理が求められます。副業が増えることで業務が重なると、どちらかの仕事に支障をきたす可能性があります。
そのため、1日のスケジュールを明確に立て、タスクの優先順位をつけて確実にこなしていくことが重要です。バランスを取るためには、休息も忘れずに取り入れ、体調を管理しましょう。
確定申告などの書類処理を怠らない
また、確定申告などの書類処理を怠らないことも忘れてはいけません。
副業での所得が年間20万円を超える場合、確定申告が義務づけられています。この申告を怠ると税務署から指摘を受ける可能性があり、場合によっては追徴課税が発生することもあります。
副業を開始する前に、収入や経費を正確に記録し、必要な書類を準備しておくことが求められます。確定申告の方法や経理スキルを学んでおくことで、後々のトラブルを避けられるでしょう。
まとめ
Webデザインは高い需要があり、副業として魅力的な選択肢となっていますが、専門性や業務の複雑さから難しさもあります。副業を成功させるためには、まず本業の副業禁止規定を確認し、適切なスケジュール管理と体調管理を行うことが重要です。必要なスキルには、ホームページ制作やコーディング、CMSのデザイン変更、バナー・ロゴデザイン、Webマーケティングが含まれます。とくに、ポートフォリオ作成が求められるため、実績を積むことも不可欠です。また、収入が一定額を超える場合は確定申告を行う必要があり、経理スキルの習得も重要です。これらを踏まえ、計画的に取り組むことで、Webデザイナーとしての副業を成功に導くことができるでしょう。